「海外」とか大きい主語で、しかも自分のお店を流行らせられてない自分が書くのは何ともおこがましい話ですが、一応今まで新規店舗オープンに関わらせてもらった経験もあるので、どや顔で書かせていただきます!
これを読めばドイツの中都市クラスの街ではどんなふうにお店が流行っていくかわかるようになると思います。
それではいってみましょう!
海外では1年目はほとんど繁盛しない
はい、いきなり身もふたもない話ですし、僕の知ってる範囲だけの話なので参考程度にしていただきたいんですが、ドイツ人は(海外、海外って連呼していましたが、ドイツの話)、新しい物には中々挑戦しない人種だと僕は思っています。
とにかく老舗が好きですし、古い物が好きだし、新しい物を発見する喜びより失敗することを恐れる(日本人も同じか…)。
日本だと飲食店の平均レベルが高いので、オープン前から話題の新しい店に行ってみても大きく失敗することはないと思いますが、海外だと信じられないくらいレベルの低いレストランに当たってしまうことなんてザラにあります。
なので、ドイツ人(ドイツに住んでる人々)は基本、新しい店には飛び込まず、評判や口コミが広まってから来店するケースが多いと思います。
うちの店でも、店名を見てグーグルかインスタで料理の写真などを調べたりしてる人をよく見ます。
じゃあ、口コミが広まるまでただ耐えていれば勝手に繁盛するかっていえば、まさかそんなわけはなくて…。
繁盛させたければ、当たり前だけど差別化
これしかないです。
海外では日本食というだけですでに差別化はかなりできていますが、今の時代寿司屋やラーメン屋なんかはもはやマックやKFCよりも多いのは当たり前で、ドイツでは王者のケバブ屋さんすら超えてるのではないかと思ってしまうくらいです。(錯覚)
料理がおいしいのは当たり前で、それをいかにそのエリアの人々に届けるか、知ってもらえるか、あそこの料理ならちょっと遠いけど食べに行きたいと思ってもらえるかが勝負です。
特にこのコロナ禍では、よっぽどの理由がないとレストランにわざわざ来てもらってテイクアウトをしてもらうのは難しい。
その辺でもがいているのが今の僕たちで、料理だけではわざわざ来てもらう理由には足りない。
だから皿を売ったり米を売ったり、はたまたカフェ化してみたり色々、意味変できるところはないか模索しています。
僕たちが今狙っているのは、コロナ禍でずっと家にいるのも退屈だから、ライン河に散歩でも行こうという層に、河に向かう途中でボウルでも買っていこうと思ってもらう事です。
話が少し脱線しました。
寿司屋さんやラーメン屋さんでも、競合の少ないところに出店すれば、もちろんまだまだチャンスはあると思うのですが、そうそう簡単にいい場所に物件など見つかりません。
お店が繁盛するには、2年はかかる
繰り返しになりますが、料理がおいしいのは大前提です。
その状態でしっかりとした接客で営業を続けることができれば海外では自然と2年目、3年目からお客さんの来店数が安定します。
やっぱりオープン当初は繁盛したり暇になったり安定しないので、色々迷って店の大事な部分まで変えてしまう店舗も多い気がしますが、僕は我慢するべきだと思っています。
例えば、ラーメン屋としてスタートしたのにお客さんに寿司はないのかと聞かれすぎて、寿司もはじめてしまって何屋かわからなくなり、結局その辺の中国人経営のおかしな日本食レストランと内容は変わらないなんてことはザラにありますし、結局差別化にならず、自分で自分の首を絞めることになります。
ドイツでは、一度軸を決めたら、そのエリアに住む人たちの好みに少し寄せつつも2年は耐えてそのままやってみるべきです。
あとは料理のボリュームと値段設定でしょうか。
ということで自分への戒めということもあって、こんな記事を書かせていただきました。
自分たちも自信をもって今の料理を継続しつつ、毎日改善を繰り返して、少しずつリピーターを増やしていきたいなと思っています!
裏技なんて本当にないので、一人ずつ、一人ずつファンを増やしていきましょう。
それでは厨房からは以上でーす。